日本の人口推計と将来

ここに国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計が公表されている。

Googleによって公開されている世界開発指標・環境・人口項目(1960〜2016)の中から、ロシア・日本・大韓民国の人口を比較するとこのグラフのようになっている。

この半世紀で韓国の人口は、およそ倍の5000万人を超えて伸びている。ロシアの人口も2010年頃から少し増加してきている。しかし日本は2010年頃から減少傾向となってしまったままである。果たして日本の人口はこのまま減少してしまうのだろうか。

将来の人口推計を知るために、人口についての基礎知識を学習してみよう。概念を知るためにはよく使う用語を正確に理解する必要がある。

出生率

まず、出生率(しゅっしょうりつ)からである。シュッセイは間違いでシュッショウが正しい読み方であると学校で習ったと思うような気がする。読み方はともかく、すべての人間の寿命は限られているため、新たな誕生がなければ人口が減少することは明らかである。しかし長寿による人口維持という社会もありうる。

出生率(birth rate)の定義は、人口千人あたりの出生数である。出生率の厳密な定義は、人口統計学による。しかし、ここではあまり触れないことにする。人口学によれば人口千人あたりの出生数は、粗い出生率(crude birth rate, CBR)あるいは普通出生率と呼ばれるようである。人口推移には、死亡率の他にも人口遷移(human migration)などの要素がある。最初の人類がアフリカで誕生し、世界に広がっていったのが超長期的な人口の移動だとして、地球規模で短期的にも少なからず人口移動が起きている。

世界の国々の実際の出生率を見てみよう。例えば、CIA発行のWORLD FACTBOOKの出生率の国別表によると2016年で、ロシアは11.3(出生数/人口千人)、日本は7.8(出生数/人口千人)となっている。韓国は北と南でそれぞれ14.6と8.4である。世界全体を見渡すと出生率がひと桁の国は意外と少ないことがわかる。米国も12.5でロシアを上回っている。地球規模で見たときの出生率は、世界258カ国平均で18.5という数字がある。この結果によれば、地球全体で毎秒4.3人の赤ん坊が誕生している計算になる。

合計特殊出生率

日本でふつうに使われている言葉と概念が世界標準と違うことはよくあるが、この「合計特殊出生率」という用語もその一つである。

日本で一般的に使われる<出生率>は、この「合計特殊出生率」を指していることが多い。合計特殊出生率とは、一人の女性が一生の間に生む子供の平均数である。英語では、total fertility rate、すなわちTFRと呼ばれる。

なぜ日本で合計特殊出生率(TFR)という世界標準では特殊?なものが出生率となったのかは私の知識不足です。